写真家"彼方"の白い小箱

■互換バッテリーと互換充電器について

 純正品を使うべきだ、いやいや互換バッテリーでも大丈夫だって――。
 そんな話をよく聞く。メーカー側もバッテリーは消耗品なので、あの手この手でメーカー純正品を使わせようとしてくる。まるでプリンターインクタンク問題のようだ。(プリンター本体を割安で売り、インクタンクを高値で買わせる商法)


■互換バッテリーについて

 昨今、メーカーではバッテリーに保護回路だけでなく、固体識別チップまで載せるようになった。
 安全対策を謳っているが(半分はその通りなのだが)、実質的には消耗品もウチのメーカーのを使ってねー、ということなのだろう。
 キヤノンさんのEOSシリーズは良い例で、カメラ本体にバッテリー管理機能が乗っている。どの識別番号のバッテリーが、あとどれくらいバッテリー残量が残っているか(接続しなくても外した時の最後の情報が)確認できるのだ。それだけでなく、撮影回数や劣化度、使用履歴まで確認できる。
 ところがこいつが厄介で、互換性のないバッテリーをくっつけると、バッテリーエラーで残量確認が出来なかったり、撮影すらさせてもらえないことがある。

 私はEOS 60Dに標準バッテリー2個と、社外品バッテリーを1個使っているが、後者はちゃんと互換チップが載ったものを使っている。純正品は定価が9100円(!?)に対して、社外品は日本トラストテクノロジーの互換バッテリーだ。こちらは2880円。もちろん、データバッテリーとして動作する。しかし、間の6000円どこいった。
 無論、完璧な模造というわけではない。例えばこの互換バッテリーではEOS 5Dで使えないという問題がある。他にも多少容量が違ったりするわけだが(純正は1800mAhで互換品は1500mAh)、まあそこは社外品ということで。容量が足りないなら純正品1個買うつもりで3個買っておけば心配ないじゃない?という感じで。

 本音を言うと、互換バッテリーはあまりおすすめしない。純正品は純正品で、やはり品質が違う。所持しているコンデジのバッテリーは割と社外品に置き換えつつあるが(純正品が手に入りにくくなっているという状況もある)、それでもやはり純正品のほうが品質が高いと感じる部分はある。だから互換バッテリーを買うときは、必ず仕様を確認し、メーカーを確認することが重要だ。

 国内での互換バッテリーメーカーとして、ロワジャパンか日本トラストテクノロジーを選んでおけばだいたい間違いないと思う。それでも完全ではないこともあるだろう。昨今は品質もかなり上がってきて、爆発したり発火・発煙を起こすことも少なくなってきたが、そういうことが起きる可能性も考えながら互換バッテリーは選ぶべきだと思う。

 つまり、互換バッテリーを選ぶのはアリ。但し、自己責任でね、というお話。
 

■互換充電器について

 バッテリーよりも難しいのがこっち。私もいくつか互換充電器を持っているが、どうにも挙動が怪しいものが多い。
 例えばFinePix F50fdを充電するために買った、いかにもMADE IN CHINAな充電器がある。何故か凄く軽い。CEマークやPSEマークは入っているものの、どうにも信用できない。しかも数百円何とコンセントだけではなくカーシガーソケットからも充電できる優れもちょっと待てや。流石に色々おかしいだろうよ。
 
 とまぁ、こういう出物があったりするので、互換充電器はちょっと考え物である。
 互換充電器の問題点は互換バッテリーより深刻で、充電制御回路が不完全だったり、充電電圧・出力がおかしかったりするものが、わりとよくある。
 特にマルチ充電器(充電台を取り替えると様々なバッテリーに充電できる)タイプは地雷が多いように思える。
 
 充電器はバッテリーと比べれば間違いなく消耗品ではないので、ここは素直に純正品か、ちゃんとしたメーカーの充電器を購入することをおすすめする。乾電池タイプならともかく、デジタルカメラ用バッテリーで2個とか3個同時充電なんていうのは正直地雷の香りがプンプンする。

 どうしても純正品が入手できない、とかなら仕方がないだろうけど、充電時はその場を離れず、少しでも違和感や異変を感じたら即座に充電停止するようにしよう。

 つまり、互換充電器を買うのは少々考え物。自己責任以上に神経を使うべきだ。

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