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【修理と補修】

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自営業と自衛業とバイトをしつつ、なけなしの金を女に貢がず写真に注ぐ変人。

修理と補修
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< Kan先生からの宿題(1) Kan先生からの宿題(3)>

Kan先生からの宿題(2)

修理と補修 | 2016年 1月10日(日)16時42分
 前回( http://www.ilma.cc/kanata/diary/hbg.cgi?number=3 )からの続き。
 
 とりあえず、基板上の緑青が気になって仕方がないので少しずつ剥がす。
 緑青は猛毒である、というのが昭和世代の定説らしいけど、そんなこたあない。ふつーの金属錆系と毒性は変わらないそうだ。まぁ、本当に猛毒ならば、皇居の屋根は緑青吹かせたりしませんものね。
 

 さて、色々確認していって分かったこともある。
 ・LSIは生きている。
 ・回路もおそらく適切に動作している。
 ・CdS素子(光センサー)も、テスター上では間違いなく動作している。
 
 本当はオシロスコープを使っても良かったのだが、どこまで高電圧が走っているのかいないのか、そもそもオシロで拾えるのか怪しいもので今回は出番なし。

 怪しいのは液晶表示部分。水が入って液晶液が漏れたりしたらどうにもならん。
※液晶についてはNHKの映像作品「電子立国日本」の「電卓戦争」参照のこと。
 とりあえず、液晶関連の回路をテストしていく。電池を入れたまま、テスターのマイナスは電池のマイナスに繋いで(似非GND)、あっちこっち追いかけてみる。あっちに来てる、ここは来てない、こっちは来てる。
 テスターを取り外して電池も外す。導通試験にswitchして、怪しい場所を確認する。空中配線の飛び先に導通するか、する。抵抗値にswitchして、ダイオードは外れていないか、コンデンサは一応動いているのか、OK。

 ここでもう一度電池を入れて、電源をオンにする。おや、電圧値微妙に足りなくないか?
 基板をまたもひっくり返してスイッチ部を確認すると、僅かな緑青。サンドペーパーが行方不明なので、アルコールと刃物の刃先でちょっとずつそぎ落とす。削ぎ過ぎるとパターン剥がれで絶縁になるので慎重に。
 基板をひっくり返して適正位置に。短絡しないように注意しながら・・・まだ画面には何も映らない。

 最終手段。昭和の機械は叩いて直す。叩くといっても殴打するわけではない。精密ドライバーの頭で、あっちこっち軽くトントンと叩いて様子を見る。これ、古い機材には有効な手段なのよね。よく言われるけど。

 ドライバーの頭がどこかと接触して、本体内の赤色LEDが光った。
 ・・・赤色LED? たぶんバックライトは無いはずだし、そもそも位置的に液晶画面を照らす部分ではない。表面基板が影になっているし。
 ピンときた。見えない場所に発光素子。非発光ダイオードなら、あちこちに使われているのに、基板の一番わかりやすい場所に発光LED? ……これ、もしかして偶然リセット操作かジャンパー扱いになったかも。

 スイッチを切り、入れなおした。

 ・・・動いたよ。即座に組みなおし、スタジオデラックスと比較してみる。室内照明は白色LEDなので、あまり参考にならないかもしれないが、チェックしてみる。
 スタジオデラックスは12の針、感度1600(DIN33°)に設定。オートマスターも同じ条件に設定する。
 スタジオデラックスでは1/60sの場合、2.8-3.5のf値をとれ、と見える。
 オートマスターは、1/60sの場合、2.0(9)=2.8のf値をとれ、と見える。
 入射光がLEDなのでセンサーのバラつきがあるのかもしれないが、だいたいあってる。

 直っちまったぞおい。
 その後、明るい場所に持っていって再測定しても、±1/3EV程度の誤差がある程度。

----

 でまぁ、Kan先生にはレストアしてもらったり、使っていないカメラや露出計を頂いたので、こちらももうちょっと気合を入れて「補修」を開始。

 バッグ内がホコリだらけゴミだらけだったので(長く使えば当然)、シールで出来るだけゴミを取る。こういうの中に入り込むと誤作動の原因になったりするからね。
 底には厚紙らしきものが入っていたけど、引き出したらカビだらけだったので迷わずポイ。
 

 ここからは失敗しない。ケースについていた汚れを丹念に取り除き、ミンク油を用意する。ケースがボロだから寿命だから、と先生は仰るが、私からすればスタデラのケースのほうが凄い。


 皮用の針がないので、自室にある針の中で最も強くて折れても良い針を選定。このままだとすぐフタが脱落するのは目に見えているので、目立たない黒色糸で補修。ナイロン糸にしようか迷ったが、締めこんだときに適度な柔軟性も欲しい(というかヒンジ代わり)ので、黒染色木綿糸を使用。ツギハギできる部分は、目立たない程度に縫い合わせ。ファスナーの部分は流石にどうにもならないし、針も曲がりかけてきたので断念。

 ミンクオイルを塗り、しばらく放置。その隙に本体外装を清掃。傷はリューターで補修できるかと思ったが、プラスチックなので悪化を嫌って断念。
 首紐も洗浄。ざぶざぶ洗うと繊維が千切れそうなので、さっと汚れを落とす程度だが、まぁいいかな。


 完成。露出計のケースがやたら黒く見えますが、これが本来の色のはずです。
 浮いた油はちゃんと拭き取った(4回拭き)ので、まぁ運が悪くなければベタついたりしないはず。
 最後にスタデラのファスナーに注油して、動きが良くなったのを確認。
 
 これで修理完了、宿題提出を待つのみです。
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< Kan先生からの宿題(1) Kan先生からの宿題(3)>
コメント
1 | kan | 2016年 1月11日(月)11時10分

このスタデラは私の車の上に忘れられてそのまま
走ったやつです。歴戦のつわものですね。ケースは
本気なら皮を当てて、完璧に補修も可能でしたが
中身が動けば良いということで、手入れした
記憶が無いです。
2 | kan | 2016年 1月11日(月)11時10分

このスタデラは私の車の上に忘れられてそのまま
走ったやつです。歴戦のつわものですね。ケースは
本気なら皮を当てて、完璧に補修も可能でしたが
中身が動けば良いということで、手入れした
記憶が無いです。
3 | 時深彼方 | 2016年 1月11日(月)12時26分

 確かに皮はぼろぼろですが、本当に駄目になるまでケースも使います。皮当て作業はやったことがないのですが、ちゃんとした皮ですし、まだまだ使えるので、
・ファスナーが壊れる
・完全にメクれる、破れる
・上下が泣き別れになる
 のいずれかになるまで、ケースは大切に使います。
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