修理と補修 | 2016年 1月15日(金) 8時15分 |
びっくりだー!
本日の犠牲者はこちら。Canon EOSシリーズのトップナンバー(?)、つまり「EOSの系譜のはじまり」の機種である、Canon EOS 650(無印)です。 昨日手元に戻ってきたネガフィルムといっしょに、そして単焦点レンズと望遠レンズといっしょに「あげるよ」と言われて渡された、EOSの始祖、キヤノン創立50周年モデル。
・・・・・あら?
……あらららら?
直すところ、ないよ?(汗) 発売当時のカメラとしては最先端を行く機種だったのに、ネットでもカメラ屋でも完全ジャンク扱い。 特にEOS650からEOS55まで(と思われる)に発生する、フォーカルプレーンシャッターのダンパーゴム加水分解劣化現象も発生していない? もしかして先生、修理したのかな。 とりあえずレンズを噛ませて(フィルムは入れずに)動作確認をしてみる。 電源OK、フォーカシングはちょっと遅いけどOK、シャッターは切れる、バルブモードでも動く、絞り調節も効く。 もし修理すべき点があるとすれば、シャッターボタン手前のジョグダイヤルが少々言うことを聞いてくれない。それだけ。ただ、この手合いはボディを剥がすと全部配線、みたいにギッチギチに中身が詰まってる状態なのは言うまでもなく、このダイヤル(この辺は触れたことがないが、ロータリースイッチみたいなものか?)を交換すべきかどうか、つまり交換する必要があるかどうか、少し考えた。
撮影モードは全自動、オート(P Tv Av M Depth)が使える。もしどこかに連れて行くならPかAvしか使わない。 ・・・あ、修理要らんわ。Dxコードも読めるみたいだし。 ---- いっしょに連れてこられた単焦点50mmレンズ。
清掃だけで終了。分解はパス。イメージスタビライザーもない、シンプルな50mmだ。 EOS 60Dに接続すれば75mm前後の単焦点。面白そうだ。F1.8という明るさもあるし、大切に使おう。
問題はこちら。EFマウント 90-300mm 1:4.5-5.6 USMズームレンズ。 カビとホコリがカッチリ入っている。分解か……ズームレンズの分解は二度とやりたくなかったのだが、仕方あるまい。
前玉はネジ3本で留まっている。最前部リングを外すと、前玉が取り出せるようになる。 このとき、ほかの3つのネジは回してはいけない。偏心調節用なのです。
……うん、まぁ、これなら掃除すればなんとかなるかな。 前から2番目は外せないうえに、カビ跡がひどい。修理してもジャンク籠行き間違いなし。
この手は後ろから攻めるのが吉。接点ネジを外し、マウント部のフタのネジを緩めれば、あとは簡単。 オレンジ色のリードを外すときの断線に注意。フォーカス、シャッター、絞りといったセンサーに繋がるので、どれかひとつでも欠けたらセーフティが掛かって不動品となる。
意外かもしれないが、オートフォーカス制御モーターはここにある。USM(ウルトラソニックモーター)などと書かれているが、普通のモーターです本当にありがとうございました。 ここの写真を撮影しておくことは重要。というのも、配線の入り組み方とモーターユニット設置位置が分からなくなる恐れがあるからだ。 まぁ、もし分からなくなっても大丈夫だけどね。AF/MFスイッチと、この下に見える歯車に合わせて差し込んであげればいい。 この部分を取り外すと、フォーカス部がフリーになる。今回は外さなかった(うまく外せない)が、一応書いておくと、 ・前玉側フォーカスリングをまわすと、異常なほどに筒が伸びる。 ・伸びきったところで更に「筒を」引っ張ると、もう一度伸びる。筒の中にグリスが付着しているのですぐ分かる。 ・伸ばしきったら「フォーカスリング」を逆向きに回すとユニットがアンロックされる。
アンロックするところまでは持っていたのだが、それを外すための方策が見つからない。恐らくどこかに隠しネジが、逆締めのロック部品がある。それはフォーカスリングのすぐ後ろのはずなのだが、残念ながら外せなかった。つーか失敗したら惨めだからやめておいた。
ここまで来れば、後玉の裏側と、隙間からそのひとつ前の玉にアクセスできるようになる。 一応清掃。レンズは残り4枚から8枚くらい入っているはずなのだが、完全オーバーホールは技術力不足と工具・治具不足で断念。まぁ、ひどい写りにならなければいーや。
組み立てて動作確認。とりあえず「サイアクなカビだらけ」からは一旦脱出。せめてサービスマニュアルがあれば、もうちょっと細かく出来るんだろうけど、なかなか入手出来るものではないし。そもそもこういうのは「駄目になったら新しいの買えや」という感じで作られているだろうから。
だからEOSシリーズ以降の製品は、先生のお怒りを買ったんだと、私はそう思う。 |