修理と補修 | 2016年 4月 3日(日)10時48分 |
続・MAMIYA PRESS SUPER 23絶賛補修作業中。
えーと。こういうレンズマウントをスピゴット式、というんだっけ? メンテナンスが容易で、構造的にもかなり頑固なので、これは安心して使える。 ……んだが、これ、本体とレンズを支えてたらロック機構まで指が届かない人がいるんじゃないかな、とか考えてしまう。
とりあえず、まずは標準100mmから。
バルブモードにして拭き上げ。見てのとおりきったねぇ。 まぁ、1秒に設定すればガバナーが(油切れで)停止してしまうので実質バルブになるんだが、どのタイミングで動き出して羽が戻るかわからないので、安全のためにバルブで作業する。 前・中・後の3枚を清掃して、羽もアルコールで拭き上げ。
うん、綺麗になったなった。レンズプロテクターが少々剥げているので、撮影時は気をつける必要がある。 ホコリが乗っているように見えるが、ちゃんとブロアで吹き飛ばした。おそらくこれで大丈夫だろう。
問題は次。127mmのほう。 こっちは見た目も綺麗で、しかも機械機構はほぼ完壁に近い形で動作する。 本音を言うとこっちを使いたい。・・・が。
前玉が、このザマである。(※iPhoneにスーパーマクロレンズを取り付けて撮影) これでも結構色々やってみたんだ。 コーティング剥がれなら、いっそコーティングを全部剥がしてしまおうと溶剤につけてみたり、これで飛ばぬならとアルコール責めにしてみたり、面倒だから研磨で何とかしてみようとバフ掛けしたり。 全部だめ。 これ、カビ跡かなぁ、と思ったんだけど、どうもただのコーティン剥がれでもなければカビ跡というわけでもないようだ。まるで空気抜きがしっかり出来てないような状態。これ、無理があるんじゃないか・・・? 一応、最終手段としてダイヤモンド研粒含有のガラス仕上げごにょごにょは隠し持っているのだが、平面ならまだしも曲面。治具を作るのは容易ではない。******があれば、まだいけるのかもしれないが(名前は伏せているが普通に売ってる)、どっちにしても治具がないときつい。正確に曲面研磨とか名人芸が必要で、少なくとも自分にはそんなこと出来ない。
残念ながら、こっちのレンズは使い物にならない。微細な傷程度なら誤魔化しも効くだろうが、レンズを最短ピン状態で覗いて、肉眼ではっきりとデコボコが見えるのだ。おそらくフイルムにはきっちりと跡が残って映ってしまうだろう。
移植手術……は出来なくはないかもしれないが、スペアのレンズも無いし、これは諦めかな。観賞用。
そんなわけで、MAMIYA PRESS SUPER 23リペア完了。 細かい傷とかは放置、ちぐはぐな補修跡はあえて全部戻した。 使い込まれた感じのほうが味があって良い。……と思う。昭和41年発売って……これで完動品なのだからすごい。 |