写真家"彼方"の白い小箱

■機種紹介

 ……と言いたいところなのだが、残念なことにExifにはソニーのサイバーショットとしか書かれておらず。
 私を写真の世界に引き込んだ友人F氏から借りたものだったはず。
 そのため型番不明。
 
■背景紹介
 友人D氏の……たしか父親の実家だったかなぁ。そこへ行くんだけど、いっしょに来ないか?と誘われたのが始まりだったはず。で、実家ってどこよ?って聞いたら「新潟県岩船郡」(おそらく今は新潟県村上市)と言われた。
 移動手段はオートバイ(250cc)。工程は「止むを得ない場合を除き高速道路禁止」「午後5時到着」。
 当時のインターネットは地図の表示も課金だったりしたので、地図帳に色々書き込みながらルート選定した記憶がある。携帯電話もあったが、やはり地図は課金。

 ……いいところだね、新潟。やたらと新潟に縁があるのは、今も昔も変わらず。

■雑感
 新潟は良いところだ。水も空気も良い。食べ物も美味しい。あと暑い。もっとも、向かった先は山形との県境付近なので田舎といえば田舎なのだが。
 とにかく何もないし、近所のつながりが凄く強い。
 で、何が困るかというと、看板が小さいので道に迷う。何度戻れなくなったことか。
 そして、フィルムカメラを持っていくべきだったと、今でも強く後悔している場所である。

「続く道路」
 フィルムカメラを持っていくべきだった。そう痛感した写真。
 実際のところは手荷物はいっぱいいっぱいで、ちょっと大きい荷物は宅急便で送っていたのだが、それにしたって失敗だった。

 この頃(まだ二十歳になっていない)から、写真を撮影するときの画面構成というものを自燃と意識し始めた。何枚か撮影しては消し、を繰り返して、まぁこういう感じかな、として手元に残したのがこれ。

 というか、どこに行ってもこの景色が続く。
 だから、自分がいま何処にいるのか、分からなくなる。
 移動順路を記憶しないと、帰還不能に陥る。 

「米どころ」
 同じ場所から少し画面をズラして2枚撮影。
 上の写真は三分割法を意識。美しい稲穂が象徴的。

 下の写真は二分割。空と田の対比が良い。

 で、どっちが好みかといわれると、やっぱり前者なんだよね。
「無題」
 三分割法と日の丸構図的美味しいとこどり。
 この写真、なぜか割と友人からウケが良い。
 個人的には光の加減にちょっと失敗している、と思ってる写真だったりします。とはいえ、制限速度看板を露出基準にすると空の蒼さがなくなってしまうので、これでいいのだろうか。
「抜け道」
 シャッター速度は手振れを抑制するには十分、回折現象が起きるほどに絞り込んでいない。にもかかわらず、なんか画面全体がボケたような現象に陥ってしまった写真。
 当時のデジカメの難点というか、限界あたりの写真。レンズに問題があるのか、被写界深度が浅かったのかもしれない。とはいえ、もっと絞り込むと風の影響に負けてしまう。

 道の先の空が白飛びしてしまっている。
「夏空」

 どうみても失敗気味の写真なのですが、どういうわけか捨てられない(削除できない)写真。
 室内撮影、ストロボ無し。逆光気味なので本来はストロボで補正するのですが、明るさと影のコントラスト、あと画面全体の光感が好みなのかもしれません。

 空の青さ、焼かれる瓦、手すりの黒さ、白いシャツ。
 日常、というものを切り取るとき、何も考えずにカメラを向ける時の美味しさのようなものが詰まっている……気がする。
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