写真家"彼方"の白い小箱

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Tsubasa Semi F1(木川光学)

 ――残骸からカメラを作り直す過程はこちら。(前日譚・本物の地獄)


 木川工学というメーカーの「Tsubasa Semi F1」ではないかと。
 このメーカー、情報があまりなくてカメラペディアあたりも参考にしてみたが、英語だらけで挫折。昭和26年もしくは27年あたりのカメラらしい。6×4.5cm型、レンズシャッター式スプリングカメラ。レンズは……「今、ついているレンズは」BESSELの1:3.5 f75mmである。先生が予めレストアしていたため、やるべきことはそんなに多くない。
 この子、目測による手動の焦点調節。つまりレンジファインダーではない。目標までの距離をフィートで測って、くるくるとピント調節ノブを回す必要がある。シャッター速度はBがあるものの、実用域は1/100か1/200だな。1/50もあるが、ブローニーで、75mmレンズで1/50はちょっと心配だ。

 レンズを外し、綺麗に磨く。シャッター羽と後玉に凄いゴミがついていたので、Bにして高圧空気でシュッ、と。(凄いゴミとホコリが飛んで一瞬パニックに)
 元通りに組みなおし、フィルム室側から後玉を掃除して完成。

 試写……してみたが、光漏れ地獄。しかも蛇腹ではなく本体と蛇腹の接合部から(だと思う)。
 折を見て、手を入れてやります。
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