写真家"彼方"の白い小箱

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Konica FP
  一眼レフ……先生から珍しいものを託された。(邪推だが、先生が一眼レフ嫌いだから渡された?)
 ちなみに、ここしばらくのリペア(先述の記事を読んでレストアと呼ぶのは止めた。私はまだまだリペアだ)に関しては、先生のウェブサイトを読まないように、検索も最低限にして出来るだけ独力でやってみる方針をとっている。他の人の丸パクリでは知識にならん。



 さて、「動作可能箱」の中に入っていた動作しないカメラだった。
 おそらくは「直せば動作可能、難易度は低い」って意味だと勝手に解釈した。

 まず、巻き上げ動作が出来ない。致命的。巻き上げ動作が出来ないということは、シャッターも切れない。


 ……うーん? ぱっと見た感じ、パーツ不足でもなければ何か飛んだ痕跡もない。
 これは裏フタのほうかな。確かそっち側にガバナーがあるはずだし。





 あっちこっち注油したり、マイナスドライバーでギアの噛み具合を確認していて、どうも巻き上げ機構というより、撮影動作後に何か「障った」んじゃないかと結論が出た。ちょっとずつ追いかけてみると、どうも「撮影ボタン」の裏側にあるピン(巻き上げロックか、シャッター作動直後にバネの過剰反転動作を止める機構)が怪しい、と感じた。
 静かにマイナスドライバーで動かしてやると、コチン、カチャッという音が。

 ふむ。巻き上げできた。
 そそくさと組みなおす。が、シャッター動作が、どうもおかしい。で、その「どうも」の部分はフォーカルプレーンがモタつくという症状ではないかなぁ、と。



 コパル・スクエア。見て分かる通り。油が乗ってる。
 過去にメンテナンスされたのだとしたら、そこが原因か。(今回、ここまで染み出すような注油はしていない)
 とりあえずラッカー薄め液で荒い汚れを落として、次にFUJIのレンズクリーニングリキッドで綺麗にする。油を溶かす仕様の液なので、これがまたよく効く。(※スタンダードに進めるならばナフサオイルのほうが良いかもしれない?)



 レンズを綺麗にして、

 とりあえず完成。シャッター部は引き続き清掃を実施する予定。
 いや、このカメラ、デカいんですわ。大きさも、音も。でも気持ち良い。
 早く、ちゃんと使えるようにしてあげたい。

※2020年2月、久々に調子を見てやろうとしたら、マウントの絞り込み爪が吹き飛びました。(えらい勢いで飛んで行って行方不明)
 Fマウント……ヘキサノン……使ってあげたいのに……。
師匠からのコメント集合知が人類の進化を進めてきました。「前車の覆るは後車の戒め」です。先人の経験は全てありがたく頂いて、より高みに上る方が良いのではないでしょうか。レストアで最大の功績は、「皆で考えて前に進む」です。 この正規が始まった頃、クラカメブーム、それに伴うレストアブームがありました。その中で「レンジファインダー」を主催されるビュッカーさん、独自の研究で手作りカメラを作っている610さんの所に多くの人が自己の経験や成功、失敗体験を投稿し、御互いに知識量を飛躍的に高めました。この時代が無ければ捨てられたカメラは今よりずっと多くなったでしょう。
カメラ自体、一人の人が作ったわけではなく、多くの積み重ねがあります。一人には限界があります。なんでも一人ってのは・・・単なる自己満足になりかねません。他の人の知識はありがたくいただき、自分はその先に進むのは無駄な時間を次のステップに進むための研究時間を作ってくれます。それに、実際に研究しなければ頭でわかっても実技は無理です。例えば「緩まないネジ」を緩める機材とノウハウ、口でわかっていても、自分で工夫しなければ無理ですね。そこに自分なりの進化があるのです。

試写


 先幕が逝ってるような気配。開きが遅延して後幕に追いつかれている、そんな印象を受ける。
 もう一度試写したいが……ボディが壊れてしまった。どうしたことか。
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